注目されていた今年度末における相続税法の抜本改正は、見送りとなったようです。
相続税改正とセットと言われていた事業承継円滑化法は、既に一部施行されていますが、現行法のままいくということです。今年の税制改正大綱には「遺産取得課税方式に改めることを検討する」とありましたが、まさしく検討しただけで終わった形です。
結局、こんなスケジュールになります。
08.10.01~ 金融支援実施
08.10.01~ 取引相場のない株式等の納税猶予制度実施(遡及適用)
09.03.01~ 民法(遺留分)特例実施
(遺産課税方式から遺産取得課税方式への変更、課税対象の拡大 ・・・ 見送り)
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■相続税の抜本改革先送り、自民税調「景気後退時は困難」
自民党税制調査会(津島雄二会長)は27日、2009年度税制改正の焦点だった相続税の抜本改革を先送りする方針を固めた。景気後退局面を迎えるなかで、最高税率の引き上げや課税対象の拡大、課税方式の変更は困難と判断した。来月中旬にまとめる09年度税制改正大綱にこの方針を盛り込む。
同日午前の党税調正副会長・顧問らの会合は先送り論が続出。税調幹部は会合後、「デメリットが多過ぎる。とても来年度税制改正で結論が出そうにない」と語った。
(08.11.27 日経ネット)
■平成20年度 税制改正大綱
第3 平成20年度税制改正の具体的内容
1 事業承継税制の抜本見直しについては、中小企業の事業の継続の円滑化に関する法律(仮称)の制定を踏まえ、平成21年度税制改正において、以下を骨子とする事業の後継者を対象とした「取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予制度」を創設する。
本制度は中小企業の事業の継続の円滑化に関する法律(仮称)施行日以後の相続等に遡って適用する。
この新しい事業承継税制の制度化にあわせて、相続税の課税方式をいわゆる遺産取得課税方式に改めることを検討する。
その際、格差の固定化の防止、老後扶養の社会化への対処等相続税を巡る今日的課題を踏まえ、相続税の総合的見直しを検討する。
(07.12.13 自由民主党)
2008年11月27日 <17:35 > 田中良幸 |